日本式英語でいいのか?

吉川 武時
2010.9.5

English version

先日NHKの番組で「日本人は日本式英語でかまわない」という話があった。
発音だけなく、文法や発想も日本式でかまわない、と言う。
例えば I go to Kyoto by car.「車で京都へ行きます」は
ネイティブだったら、I drive to Kyoto.と言うという。
同様に Speak with big voice.「大きな声で話して」は
ネイティブは Speak loudly.などと言う、という話である。

これを聞いて私が思ったのは「〜は〜が」構文のことである。
「〜は〜が」構文は日本語特有ではないが、 ヨーロッパの言語にはないもので、
これこそヨーロッパの言語に訳そうと思ったら、
めんどうくさいので、 日本式の発想で言ってしまうのではないか、と思うからである。

「〜は〜が」構文で最も有名な例は「象は鼻が長い」である。
これが Elephant is nose is long.と言えたら、そして通じたらいいな、 といつも思っている。

「〜は〜が」構文の文には他に次のような例がある。
僕はお腹がすいた。I am belly became empty.
今日は天気がいい。Today is weather is good.

「〜は〜が」構文を研究しているのは、 正しく訳すことができるようにするためである。
そのために「〜は〜が」構文をいろいろ苦心して分類しているのである。
上のような日本式英語が通じるとすれば、
「〜は〜が」構文の分類を研究する必要がなくなる。

このケーキは母が作りました。This cake is mother made.
これも「〜は〜が」構文の例であるが、主題化変形の例でもある。

次にうなぎ文だ。

僕はうなぎだ。I am eel.
姉は男の子です。My sister is boy.
最近はこんにゃく文というのもある。
こんにゃくは太らない。Konnyaku does not fat.
ビールはトイレに行く。Beer goes to toilet.
主題を表す「は」ではこんな例もある。
新聞を読みたい人はここにあります。
The person who wants to read newspaper, it is here.

疑問詞に関して

たいていの西洋の言語では疑問詞は文頭に置く。 「これはなんですか」を This is what? という日本式英語はありか。
また、西洋の言語では、条件句の中に疑問詞を入れことができない。
「だれが来たら会いますか」と言いたいとき、 If who comes, ...
なんて言えないだろう。
西洋の言語では、連体修飾句の中に疑問詞を入れることもできない。
「どこに行く船ですか」
Is this ship which goes where? これもおかしいだろう。

連体修飾に関して

外の関係の連体修飾「サンマを焼く煙」も西洋の言語に素直には翻訳できない。
この例は「煙がサンマを焼く」という燻製のサンマを作るという意味ではなく「サンマを焼くときに出る煙」という意味である。
  「ワインのおいしいチーズ」など、日本語ではなんらかの関係があれば 連体修飾句を作ることができるが、 西洋の言語では格関係がはっきりしないと、翻訳がすこぶる困難だ。
一つ下の連体句中の要素を底とする連体修飾 「着る人が少なくなった着物」も翻訳が難しい。
西洋の言語に簡単には翻訳できないパターンをいくつか挙げた。 こんなのを日本式発想でOKということになったら、どうなるか。

有名な例

日本人が間違いやすいとされた有名な例。
(トイレに入っている人がノックされて)入っています。I am in.
ここはどこですか。Where is here?
こんなの通じるか。
日本式英語のすすめもほどほどにせ〜よ。
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