くたばれ!「助動詞」

吉川 武時
2011.5.16
「Yahoo!知恵袋」の回答に「せる」は助動詞、と書いてある。
助動詞ではありません、と言ってやりたいが、今の中学、高校ではこう教えているから、 違うことを教えて、それがテストで出ると困る。 中学・高校の教科書の記述を変えなければ。

Wikipedia にはこう書いてある。

助動詞(じょどうし)
助動詞 (言語学) - 動詞と同じような形態を持つが、他の動詞と結びついて相、法などの文法機能を表す語である。日本語の「いる」、「ある」、英語の can, will など。

助動詞 (国文法) - 日本語の品詞の一つ。「た」、「られる」など。日本の中高生が学校文法で習う分類。言語学では、国文法でいう「助動詞」は、語尾や接尾辞と見なされる。

国文法(学校文法)では、言語学でいう助動詞は補助動詞と呼ばれる。

活用のある付属語を「助動詞」と言うのは、中学・高校の学校文法の中でのみ有効な特殊用語なのだ。

「助動詞を教えて」という質問には 「語尾のことを助動詞と言っている」と回答したが、 語尾が分かるかどうか心配だ。

基本形(辞書形あるいは終止形と同じ)からマス形の作り方 を説明しよう。
五段(子音幹)動詞の場合 語末の u を取って imasu を付ける
例 読む yomu yomimasu 読みます
語幹は yom、語尾は imasu
一段(母音幹)動詞の場合 語末の ru を取って masu を付ける
例 食べる taberu tabemasu 食べます
語幹は tabe、語尾は masu
例 寝る neru nemasu 寝ます
語幹は ne、語尾は masu

音節文字(かな文字)で文法を語ろうとすると、 五段動詞の場合、超複雑になるのだ。

目的語と連用修飾語


目的語は「を」でなければならないという人が増えた。英文法の影響である。
「〜気に入る」「英語話せる」「あなた好きだ」などが正しくて、
「〜が気に入る」「英語が話せる」「あなたが好きだ」が間違いだと言う。
「目的語」という術語は国文法の用語にはない。「連用修飾語」の一種である。
「連用修飾語」は示す範囲が広い。
「ゆっくり話す」のゆっくり」も、
「大声で話す」の「大声で」も連用修飾語である。
「本を読む」の「本を」ももちろん論連用修飾語である。
だから、「連用修飾語」ではこまかな文法記述ができない。
それで、「目的語」という術語を使うが、これは英文法の影響ではない。
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